【不思議な寄生生物】カマキリに寄生するハリガネムシとは!?感染経路は?感染を防ぐには?自作の絵で解説します!

昆虫

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カマキリに寄生するハリガネムシとは?

カマキリに寄生するハリガネムシをご存じでしょうか?

名前の通り、針金のように長い生き物で、硬く、黒い生き物です。形からわかるように、ミミズの仲間です。

このページでは、ハリガネムシについて自作の絵でご説明します。ハリガネムシの写真を見るのが怖いという方でも安心してご覧くださいwww。

ハリガネムシはこんなやつ

ハリガネムシはこんな感じの黒くて細い体をしています。カマキリの体の中から出てきているのを見て、トラウマになりかけた方もいるのではないでしょうか。

それにしても、どうやってカマキリの中に入り、寄生したのでしょうか。

その生態はどうなっているのでしょうか。

そして、カマキリを飼育している場合、防ぐ方法はあるのでしょうか。

ハリガネムシの一生、カマキリの中にどうやって入って寄生する?

では、ハリガネムシの一生、カマキリに寄生するメカニズムをイラストとともにご覧ください。

ハリガネムシは通常水の中で生活する水生生物

ハリガネムシは通常、水の中で生きている、水生生物です。

池や沼などの水の中で暮らしています。

黒くて細い体をしているので、水の中を探してても、木の枝などに紛れて、なかなか気づけないと思います。

水中で卵を産む

では、ハリガネムシはどのように繁殖し、カマキリに寄生するのでしょうか。

そのメカニズムを見て行きましょう。

ます、ハリガネムシは水中で卵を産みます。

イラストにあるように、水草などに袋に包まれた白っぽい卵を産みます。

なお、1つの卵は直径が0.1ミリ以下でとても小さいです。

その後、ハリガネムシは卵からかえり、小さい幼生へと変化します。幼生も目に見えないほど小さいので、沼や池で気づくことはないでしょう。

幼生はボウフラなどの水生昆虫に食べられる

その後、ハリガネムシの幼生は水の中を漂い、ボウフラなどの水生昆虫に食べられます。

え?食べられちゃうの?と思うかもしれませんが、これはハリガネムシの作戦通りです。

食べられても幼生は死ぬことなく、シストと言う休眠状態になって、ボウフラの中で生き続けます。

ハリガネムシを食べたボウフラが成虫になり、陸上に上がる

ハリガネムシを食べてもボウフラの体には影響はありません。

通常通り、成長し、羽化して蚊になります。

なお、ボウフラが羽化して蚊になるまで育てて観察したことがあります。こちらの記事も見てください。

ハリガネムシは、蚊に悪さをすることはありませんので、蚊は普通に生活を続けます。

カマキリがハリガネムシに感染した蚊を食べる

ハリガネムシは、じっと蚊の中で息をひそめ、蚊がカマキリに食べられるのを待ちます。

そして、ついにカマキリが蚊を食べると・・。

なんと、カマキリの体の中で、ハリガネムシは成虫に変化し、どんどん大きくなっていくのです。

なんと・・恐ろしい。

しかし、カマキリのお腹がパンパンになるほどハリガネムシが育ってもカマキリが死ぬことはありません。

ハリガネムシはカマキリが死んでしまうと、自分も死んでしまうので、カマキリに死なれると困るわけです。

それにしても、ハリガネムシは水の中で卵を産みますので、水場に戻らなければなりません。でも、カマキリは泳げないので、水場に近づくことはありません。いったいどのように水に戻るのでしょうか。

ハリガネムシがカマキリの脳を操り、水場に誘導する

なんと、ハリガネムシは特殊なたんぱく質を出し、カマキリの脳を操るのです。

錯乱状態に陥ったカマキリは正常な判断が出来ず、自ら水場に近づき、水の中に飛び込んでしまうのです!

恐ろしや・・・・

ついに!ハリガネムシは生まれ故郷の水場に戻ってきました。

ハリガネムシはカマキリのお腹の中で水を感じると、カマキリのお尻から飛び出し、水の中での生活を始めるのです。

水の中に飛び込んでしまったカマキリは、泳げず、そのまま命を落としてしまいます。

このようにカマキリにとってハリガネムシは恐ろしい生き物なのです。

それにしても、ハリガネムシ・・・。不思議な生き物ですね・・。

飼育しているカマキリがハリガネムシに感染しないようにするには?

さて、ハリガネムシの一生と、どのようにカマキリに感染するかを書きました。

では、カマキリを飼っている場合、どうすればハリガネムシの感染を避けることができるでしょうか。

それはズバリ、水生昆虫をカマキリにあげない、と言うことです。

蚊やカゲロウなど、幼虫時代を水の中で過ごす昆虫はハリガネムシのシストが潜んでいるかもしれません。

それをうっかりカマキリにあげてしまうと、それが原因でカマキリに寄生してしまうかもしれませんので、気を付ける必要があります。

陸上で一生を終える昆虫(チョウ、ガ、カメムシ、ヨコバイ、バッタ)などはハリガネムシが感染することはありませんので、カマキリにとって安心のエサと言うことになります。

ハリガネムシが感染したらカマキリはどうなる?

カマキリが感染したらカマキリはどうなるのでしょうか。

上記したように、すぐに死ぬことはありませんが、症状が現れます。

動きがおかしくなる

上にも書きましたが、ハリガネムシは特殊なたんぱく質を出し、カマキリの脳を操ってしまいます。

ですから、感染してしまうと動きが落ち着かなくなり、異常な行動を取り始めます。

生殖能力はなくなる

ハリガネムシに感染すると、カマキリは生殖能力を失います。

なので、オスはペアリングしなくなりますし、メスも卵を産めなくなります。

お尻を水に浸けると・・

また、カマキリのお尻を水に浸けると、ハリガネムシが出てきます。

恐ろしいですね・・。

不思議な寄生生物、ハリガネムシ

さて、いかがだったでしょうか。

ハリガネムシ、本当に不思議な生き物ですよね。

ハリガネムシは、カマキリなど、寄生できるの陸上の昆虫がいないと成虫になることができないので、生き延びることはできません。

しかし、不思議ですよね。本来は水の中で生活していたのに、なぜ危険を冒して、陸上の昆虫に寄生するのでしょう。

なぜ、別の生き物に食べられるという生き方をするのでしょう。

本当に不思議です。生き物について知れば知るほど、生物の多様性に興味を惹かれます。

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