※2023年1月5日更新
カマキリの育て方を全部解説します
このページでは、カマキリを家に迎えるとところから飼育し、卵を産ませ、そして最後まで、全て解説したいと思います。
Youtubeのメインチャンネル「カマキリ日記」では、カマキリの飼育の様子を投稿しています。
2020年はカマ太郎、2021年はカマの助というカマキリを育てました。成長の過程もわかると思いますので、是非ご覧ください。
カマキリの種類は世界で4000種類、日本で11種類!?
世界には2000~4000種類ほどのカマキリがいると言われています。これほど幅があるのは、まだ見つかっていない新種や、研究者によって見解が異なるためです。テレビなどで見たことがあると思いますが、花びらや枯葉に擬態したような珍しいカマキリも存在します。
一方、日本には約10種類のカマキリがいると言われています。それは、オオカマキリ、コカマキリ、スジイリコカマキリ、ヤサガタコカマキリ、ヒナカマキリ、ヒメカマキリ、ハラビロカマキリ、チョウセンカマキリ、オキナワオオカマキリ、ウスバカマキリです。約、と言うのは、外来種なども入ってきているからです。
例えば、ムネアカハラビロカマキリという中国原産のカマキリが日本で増えているというのが最近問題になっています。
この記事は、特にオオカマキリの飼育方法について書いていますが、カマキリは基本的に肉食で、他の飼育方法はどれも基本的に同じです。
カマキリを手に入れる方法
では、まずはカマキリを手に入れる方法です。YouTubeのコメント欄でも時々聞かれますが、カマキリを手に入れないと飼うことができませんよね。カマキリは以下で手に入れることができます。
草むらなどで自力で探す
まずは自力で探す方法です。草むらなどで探しましょう。カマキリが生息しているのはエサとなる昆虫が多い草むらです。地域によってはカマキリがいない地域もありますので、カマキリがいる地域で探しましょう。
カマキリはコオロギやキリギリスのように、鳴き声はあげず、じっとしていますので、なかなか見つけるのは大変です。注意深く探しましょう。
ちなみに、冬~4月頃は卵、5月頃より暖かくなると幼虫、7-8月より遅いと成虫です。もし冬の間に卵を見つけられると赤ちゃんから育てられるのでいいですね。
もらうか購入する
ただ、上記したようにカマキリは目立たないので、探そうと思って探すとなかなか見つかりません。
もし、誰かにもらえるならいいですね。もしくはペットショップやインターネットで購入することもできるので、外で見つからない場合は、購入を考えるのもありかと思います。
カマキリを手に入れる時期
カマキリは1年に1世代のライフサイクルを送っています。卵で冬を越し、春卵からかえり、夏に成虫になります。その後秋に卵を産み、次の世代に命をつなぎます。
ですので、できれば、冬の間卵で手に入れるか、春の早いうちに幼虫を手に入れると長く飼育できていいと思います。
飼育容器と飼育環境
飼育容器はどんなもの?
カマキリを手に入れる前に、飼育容器と飼育環境を準備しておく必要があります。飼育容器は体の大きさに合わせて準備しましょう。
飼育容器は普通に売っている昆虫用の物でもいいですし、段ボールやプラスチックケースなどを加工して作ってもいいと思います。
中に土や草、枝などを入れてつかまりやすい所を多くしてあげるといいですね。
1匹ずつ飼うのが望ましい
カマキリは肉食の昆虫です。自分より大きい物でもとらえて食べてしまうこともあるので、一緒に飼うと共食いしてしまいます。かなり広いケースであれば、複数一緒に飼ってもいいかもしれませんが、それでも、できるなら1匹ずつ飼うのが望ましいでしょう。
脱皮に失敗することがありますので高さに注意!
ケースを選ぶ際に、ケースの高さには注意しましょう。カマキリは脱皮をするときに、ぶら下がるようにして脱皮をします。
この際、体がちゃんと伸び切らないと脱皮不全を起こしてしまいます。(詳しくは動画をご覧いただきたいですが、カマ太郎は小さいケースに入れていたので、脱皮に失敗してしまいました・・。)
最低でも、体長の2倍以上の高さのあるケースに入れてあげましょう。
カマキリが食べるエサ
基本は生きている虫
カマキリのエサですが、基本的には生きている虫が望ましいです。体の大きさに合わせて捕まえられるくらいのエサを探しましょう。
メスの成虫は卵の栄養を付けるため、かなり大きな獲物でも果敢に捕らえますが、赤ちゃんのうち、またオスは性格はビビリで、あまり大きい獲物だと逃げてしまうので、適度なエサを探す必要があります。
赤ちゃんのうちはアブラムシが一番いいと思います。春先大量に草の茎などについていることがあるので、茎ごと折ってきてケースのなかに入れてあげると食べてくれます。
その後は成長に合わせ、ハエ、クモ、バッタ、ガ、蝶などをあげましょう。
大きくなると、セミなどの巨大な獲物、カメムシなど結構硬いものも食べることができます。
生きている虫(エサ)をどうやって探すか
住んでいる場所にもよるかと思いますが、個人的におススメなのは、夜、虫探しをすることです。
え?どういうこと?と思うかもしれませんが、虫は光に集まる習性があるので、街頭や家の明かりにガなどが集まってきます。
なので、夜探すと比較的簡単に見つけることができると思います。ただし、不審者に思われないように気を付けてください(笑)
人工的な物も食べます
それ以外にも、たんぱく質が多い、人工的な物も食べます。ソーセージ、鶏肉のササミ、ドックフードやキャットフードも食べます。
動かないと認識して捕まえないので、ピンセットなどでつかみ、目の前で動かしてあげると、捕らえて食べてくれます。
また、ヨーグルトも食べて(飲んで?)くれます。小さいティースプーンなどの先に乗せて口に付けるとペロペロ食べてくれます。
水も飲みます
あと、カマキリは結構水を飲む昆虫ですので、水もあげましょう。
口元に水を付けてあげるとチューチュー飲んでくれます。
霧吹きでかけてあげてもいいと思います。カマや顔についた水滴を自分で口に集めて飲みます。
脱皮して大きくなっていきます
カマキリは不完全変態の昆虫で、7回脱皮を繰り返して大きくなっていきます。(7回じゃない場合もあるようです)
【豆知識:昆虫の完全変態と不完全変態について】 完全変態・・・卵から孵化した後、幼虫、サナギ、成虫と大きく姿を変化させる昆虫を「完全変態の昆虫」と言います。幼虫と成虫は全く違う形をしています。代表的なものにカブトムシ、チョウ、テントウムシ、ガ、カなどがいます。 不完全変態・・・卵から孵化した時から親と同じような形をしています。脱皮を繰り返して大きくなります。幼虫は成虫とほぼ同じ形をしています。なお、幼虫は翅がなく、成虫になると翅が生えるので幼虫か成虫か見分けられます。代表的なものに、バッタ、カマキリ、カメムシなどもいます。 ちなみに、姿を変えないシミ、イシノミといった「無変態」の昆虫もいます
オスとメスの見分け方
小さいうちは見分けるのが難しいですが、成虫になると簡単です。以下で見分けられます。
尾突起(尾突起)があるかないか
もし捕まえてお尻を見ることができれば尾突起の有無で確認できます。
体つきが違う
メスは大きく、特に産卵が近くなるとお腹が大きくなります。一方、オスは小さく、スマートです。
性格が違う
メスは卵を産むため、栄養をたくさん取る必要があります。そのため性格が攻撃的になります。かなり大きな獲物でも、動くものを見たらアタックします。
一方、オスは性格がビビリです。メスに食べられててしまう可能性があるので、いつもびくびくしている感じです。何か動く大きなものがあると驚いて逃げてしまうことがあります。
動画でも説明しました
カマキリのオスとメスの見分け方ですが、以下の動画で説明しましたので、よろしければご覧ください。
交尾(ペアリング)のさせ方
カマキリが成虫になったら、卵を産ませ、次の年へ命をつないでほしいですよね。そのためには交尾(ペアリングが)必要です。
ただ、カマキリのメスは動くものを何でもとらえてしまうため、交尾(ペアリング)のために近づいたオスを食べてしまうのは有名な話です。私は以下の方法でペアリングを成功させました。
1.まず、メスにたくさんエサをあげておく
お腹が空いているとオスを食べてしまうリスクがあるので、メスをできるだけ満腹にさせておきましょう。
2.広い場所を確保してメスを置き、オスを近づける
狭いとオスが逃げられないので、広い場所を確保してメスをおき、そこにオスを近づけましょう。
3.あとは根気!
やってみるとわかりますが、オスカマキリはメスに食べられてしまうというリスクがあるので、かなり臆病です。惜しいところまで近づいてもすぐに逃げてしまいます。
ペアリング成功まで数日、数週間の時間がかなりかかるかもしれません。
あとは根気の勝負ですね。
4.ついにペアリング成功!
うまくいくと、オスがメスの上に飛び乗り、ペアリングを始めます。ペアリングには大体4時間くらいの時間がかかりますので、触らずに置いておきましょう。
ペアリング終了後、オスは体をバネのようにしてはじけるようにメスから逃げます。(食べられてしまうこともあります)
以下の動画でペアリングの様子、オスカマキリが逃げる瞬間の様子がご覧いただけます。
卵を産ませる
ペアリング後は、卵を産むのが楽しみですね。メスカマキリは卵の栄養のためにたくさんエサを食べますので、十分にエサを取らせましょう。
卵を産むときにつかまりやすい場所を用意してあげるといいです。
ペアリングから早い時で数日、遅くても1か月後には卵を産むと思います。
何回も卵を産む
栄養状況、環境がよければカマキリは何度も卵を産みます。
私が飼っていたカマの助(オスメスがわからない赤ちゃんの時に名前を付けました。オスみたいな名前ですがメスです)はなんと4回も卵を産みました。
※2021年12月18日更新 なんと、カマの助は12月15日、5回目の卵を産みました。動画はこちら
ちなみに、ペアリングを1回すれば、その後の卵は全て有精卵となるそうなので、ペアリングは1回だけで大丈夫です。
卵の保管方法
カマキリが卵を産んだら春まで保管しておきましょう。自然界では雨風、雪が降っても大丈夫ですので、カマキリの卵は環境の変化にとても強いです。
ただ、暖かいところに置いておくと春と勘違いして出てきてしまうので。できるだけ外気温に近い、寒いところに置いておきましょう。
カマキリを最期まで世話する
カマキリが卵を産むのが9月-11月頃です。自然界では11月頃には寒くなってきます。カマキリは寒すぎると生きられないので、寿命が来るより前に命を落としてしまいます。
ただ、飼育下では、もっと長生きします。寿命が来るまで世話を頑張りましょう。
カマキリも人間と同じで老化があります。秋くらいから徐々に体に衰えが見えてきます。動きが少しずつ鈍くなり、体に黒い斑点ができてきます。そして、足の先、触覚、カマの先などが折れたり欠けたりしてきます。
元気なころ食べられた大きなエサ、硬いエサは食べられなくなるので、柔らかいエサ、小さ目なエサをあげましょう。
カマが折れてつかめなくなっても、食欲は最期まであることが多いです。口にエサを付けてあげると、モグモグ口を動かして食べてくれることがあるので、カマが折れてもあきらめないでください。
冬の間の温度管理も重要です。寒すぎるとカマキリは死んでしまうので、ストーブのある暖かい部屋で管理しましょう。小動物用のヒーターがあると安心ですね。
うまく世話をすれば、かなり長生きしてくれます。年を超えて次の年の春まで生きたケースもあるそうです。私は2月まで育てたことがあります。
まとめ:カマキリはとてもかわいい昆虫です!カマキリを飼おう!
さて、いかがだったでしょうか。
カマキリを飼ってみるとわかりますが、カマキリは表情や仕草が昆虫とは思えないほど豊かで、見ていて飽きません。
とてもかわいいと思います。きっと気に入るとおもいますので、是非育ててみてください。
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